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知的障害を治したい
 前回の記事「自閉症(発達障害)は治らない?」には、たくさんのアクセス、また数々のコメントをいただき、ありがとうございました。

いただいたコメントの中には「治らない」という事に関して、

“自閉症・発達障害は完全には治らない。
どんなに療育をしたり、環境を整えても、障害の特徴は消えることはなく残ってしまう。
どんなに改善しても、最終的に健常者にはなれない。”

といったご指摘やご意見もあり、自閉症という障害に対して、親として、あらためて考えさせられるキッカケになりました。

いままで漠然とプチ子の発達障害を「治したい」と思っていたのが、
プチ子の症状の何をどう治したいのか、目指すところがどこなのか、
だんだん形がみえてきたように思います。

はっきり認識していたわけではありませんが、
目標としては、プチ子を完璧に健常者と同じにしようと考えていたわけではなく、
そこは意識していなかったというか・・・
もともと、そこまで目指していないのだということが分かってきました。

まだプチ子が小さくて診断されたばかりの頃は、
聴覚過敏や触覚過敏だったり、おそらく見え方も問題あったかもしれないし、
泣いてばかりで人と目をあわさないどころか、常に腕で顔を覆って隠していたとか、
たぶん認知できなくてなのか、運動機能が悪すぎるのか分からないけど、よくガラスのコップを食べてしまうなどの、いろんな自閉症っぽい問題行動や症状も多々ありました。

でも、年齢を重ね、療育を続けていく内に、成果も上がって、徐々にそれらは消えていき、
今では、集中が続かない、すぐマイ・ワールドに入る、しょっちゅう着替えたがる、同じ服を着たがる、注意しないと人とあまり目を合わせない・・・etc.程度になってきたので、最近さほど気にしていません。
たぶん、知的障害(はじめは言葉がなかった)のほうが深刻すぎて、症状のほうは二の次になっていった気がします。

おそらく、同じ自閉症(発達障害)でも、知的障害があるとないとでは、障害について困っている部分に違いが出てくると思われます。

多くの知的障害のある自閉症児の親は、自閉症の特徴よりも知的障害こそが問題になってくるのじゃないか、というように感じます。

将来的に、自閉症の特性を消せなくても、最低限のコミュニケーション・スキルや社会的習慣を身に付けさせ、なんとか自立できるようにさせたい。
そのためには、療育を信じて頑張ろう!と、今は限界は意識せずに毎日を過ごしています。

以下に、一昨年に開催された平岩幹男先生(日本小児保健協会常任理事)の講演会で私が学んできたことで、いまでも療育を信じて頑張ろうと思える支えになっているお話しを載せます。(無許可ですけど・・・、いいですよね?講演されてた内容ですから)

自閉症のグループは従来は広汎性発達障害(PDD)と呼ばれてきましたが、
最近の医学会では、その症状にも知能にも連続性(スペクトラム)があるため、
自閉症スペクトラム(ASD)と呼ばれることが多くなっているそうです。

現在、100〜200人に一人の割合で、自閉症全体が存在するそうですが、
その中で、知的障害の無い高機能自閉症(かつてはアスペルガーとよばれた)群が70%、
知的障害を伴う、いわゆる従来の自閉症(カナータイプ)といわれる群は、300〜400人に一人だそうです。

そして、そのカナータイプの内、10人に一人か二人は、療育を施さなくても自然と言葉を獲得する場合があるそうですが、残りの8〜9人は、療育なしでは話せるようにはならないそうです。

IQは成人においては固定されるそうですが、幼児期のDQは訓練により上がる事もあり、様子をみているだけでは、逆に下がっていく事もあるそうです。

多くの療育センターなどでは、DQ=IQと捉えられ、発達検査で低い数値が出ると将来も知能が低いと思われているけれども、個別の療育次第でDQは上がるし、知的障害も改善するそうです。

療育の目的は、社会的困難を抱えるコアな群に対して、いかに社会生活が何とかなるグレーゾーンという周辺群に、または更にその外側の困難のない群に移動させるかにあり、たとえ特性が残っても、社会生活上の困難を軽減できれば成功といえるそうです。


※日本小児保健協会理事・平岩 幹男 先生 講演会より http://cocoroclub.jugem.jp/?eid=62#comments 参照



そう、治したいのは、「自閉症の特性を無くす」ということではなく、
社会的困難の部分です。

言葉が話せなくて、人とコミュニケーションがとれなくて、コダワリなどの想像力の障害があって・・・
こういった困難さを少しでも減らし、
早期療育によって言葉を獲得したタイプ(=今や第二の高機能自閉症ともよばれる)になって、
いずれは自分で稼いで生活していけるようになる。

それが、知的障害を伴う発達障害児であるプチ子の目指す道です。



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Comment
ブコさん、こんばんは。
今日のお話も、すごく心に響きました。
つい先日、私も自閉症についてのお話を聞いてきて、親の心構えなど聞いてきたのです。
無理に出来ることを高めようとするより、認めて受け入れることが大切、というお話で、障害に関係なく子供を育てるという意味でとても納得出来ました。
でも、まだ納得出来ていない部分もあったんです。

知的障害が無いタイプの相談のほうが増えているし、知的に問題が無いからといってこちらのほうが軽いわけではない、というお話でしたが、環境さえ整えてあげれば、就労出来ている、というような事例も紹介されていて。
知的障害のある方の場合は、作業所など福祉的な側面の強い所に居るから、問題も少なくて相談も少ないだけじゃん!って思ってしまいました(苦笑)

困る部分が違って、どちらが良いとかいう問題でもないのでしょうけど、やはり、自閉症の特性云々よりも、知的障害の程度で将来の自立の可能性って大きく変わってくるように思えてなりません。
なので、今日のお話、とても共感しました。

うちも小学校入学を控えているので、将来への不安が強くなるばかりで。
まずは家で出きる事を!と思っていますが、私一人でっていうのはなかなか難しいですね。
子供も甘えが出るし、無理をさせずに、おだててやる気を高めて〜っていうのも、こちらの気力が必要ですね(笑)
本当にブコさん尊敬します!
また長々とスミマセン^^;
Posted by: ivory |at: 2012/01/25 9:26 PM
ivoryさん、こんばんは。

私も、知的障害のあるほうが、やはり深刻だと思います。

知的障害のない自閉症だって大変な思いをしている。と言われても・・・
将来は作業所などの福祉施設に通って手当をもらって生きていく生活しかないのと、生きずらさを抱えながらも知能が高くて収入がある生活を比べた時、どっちを選びますか?と聞かれたら、皆さんどうなんでしょう。

親がいなくなったら、いつ誰に騙されるかも分からないし、子供が知的障害だと心配で死ねませんよね。

知能を伸ばすために、いま出来ることがあるなら、無理してでも能力を高めてあげたいと思ってしまいます。
ただし、子供が苦痛に感じないように。無理するのは、親の側です。
それじゃあ、頑張れない親を追い込むことになる、と言われても、現にABAをやっている多くの親は、皆さん、ものすごい頑張っています。
親子で一日7時間もABAの療育に取り組んでいる方だっています。
それくらい、深刻なんです。
知的障害を抱えている子の親って。
頑張っている親の足を引っ張るような、「無理しないで受け入れろ」という助言は、しょせん他人事の無責任な発言としか受取れません・・・

伸びる可能性のある幼少期に、高い目標に向かって、療育をやれるだけやって、成人しても伸びなかった部分は、そこで受け入れる、というのじゃダメなんでしょうかね。
多くの地域の発達センターなどでは、ごく幼少期から「現状を受け入れろ」と言われていて、「どうせ可能性ないから将来を諦めろ」と言われているのと同じとしか思えません。

ivoryさん、おうちで出来ることを、やってあげてください。
ABAの本とか読んで、スモールステップで、強化子を使って能力を高めてあげてください。
親は大変だけど、子供が少しでも成長をみせてくれたら、どんな苦労も吹っ飛びますよ!
Posted by: ブコ |at: 2012/01/25 11:41 PM
通りすがり、PDDと軽度知的障害を持つ男の子の母です。

違和感を持って、ブログを読んでいます。

どうして「治す」とか「治る」などの言葉を遣うのですか?

あなたは自閉症も知的障害も治るとは思っていないのでしょう?

改善や軽減のことを指すのは解っています、が、どうしてあえて「治る」にこだわるのか、わかりません。

障害は病気ではないから、治るは、適切ではありません。

私と同じように思ってる読み手の方はたくさんおられるんじゃないのかなぁ。
Posted by: PDD男児の母 |at: 2012/01/26 1:32 AM
PDD男児の母さん、

「治す」という言葉を辞書などで調べてみましたが、「今の状態を改める。よくする。」という意味もありました。
一応、「完治する」とは違う意味で使っているつもりです。

でも、療育を頑張っている仲間で、早期療育によって知的障害を実際に克服して、いまや100を遥かに上回るIQになられたお子さんだって、実際にいらっしゃるんです。
だから、何事にも、限界は無いと思っています。
お医者さんが「治らない」と言ったって、癌の余命宣告を大幅に過ぎる人がいるように、前例を覆す事例が今後も出てくることだってあります。
日頃から「完治はしない」と意識する必要も、ないと思います。
Posted by: ブコ |at: 2012/01/28 12:25 AM
ブコさん、こんばんは。

「治す」という言葉に敏感になる人がいるのは、怪しげなキレーションだとかホメオパシーだとかに嵌ってかえって悪い方向に進んでしまうことを懸念してだと思います。

私は、微分のように考えています。努力により極限まで近づくがその値(治癒)にはならない、という感じです。

健常児でも思うように育つ子はそうそういませんし、ちょっとひいたところでコツコツと継続していくしかないなあと思います。
Posted by: はじめ |at: 2012/01/29 1:40 AM
ブコさんお久しぶりです☆
今年もよろしくお願いします。
私はブコさんと知り合い初めてABAを知り、知的障害を伴う発達障害でもかなり改善出来ると初めて知りました。
有名な「光とともに」でも「一生治らない障害」と書かれたパンフレットを貰う一場面もありますし私ももし娘に知的障害があって医師など威厳のある人に「一生治りません」と言われたら、改善の努力などせず諦めてしまっていたかもしれません。
ABAを実践して発達して普通級で頑張っているプチ子ちゃんとブコさんの姿はとても素敵だし、あなたたちに励まされる人がたくさんいると思います。
プチ子ちゃんに会った事はありませんが、ブログで生活の様子を読んでプチ子ちゃんはまだまだ伸びていけるとお世辞ではなく思います。
これからも応援していますo(^-^)o
Posted by: 小春 |at: 2012/01/29 10:17 PM
はじめさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

なるほど、そうですねー。怪しげな療法に警戒して慎重になってしまうのは分かりますね。
逆にABAがまだそれほど知られていないのだなと痛感します。

たしかに、どれだけ改善して成長していけるかは、ABAが長い時間をかけて継続して療育していくものという点で、健常児だってどう育つか分からないのと一緒ですね。

私としては、何事も、どうせ夢に向かって頑張るなら、限界を見据えてボチボチやっていくより、目標を高く持っていきたい派です。
結果、金メダルとれなかったとしても、そこを目標に頑張るスポーツ選手みたいな感じ・・・たとえ、正論だとしても、あまり始めから「それは無理だ」とか言われたくないんですよね〜。

ほんと、結果を出していくしかないと思ってます。
お互い、がんばりましょう!
Posted by: ブコ |at: 2012/01/30 3:49 PM
小春さん、ほんとうにご無沙汰しています!!
久々のコメントうれしいです☆彡ありがとう〜

プチ子の成長を見守ってくれて、今後も伸びていけると言ってもらえて、私こそ励まされます。
ABAは、ほんとに時間がかかりますし、労力も相当要するので、取り組むのが大変です。
でも、何もなす術がなく、黙って見ているしかないのと比べたら、やらなきゃいけないコトがあるだけでも喜びに思えるし、気持ちが前向きになります。

親が頑張ることで、少しでも子供の成長が見られたら、そんなに嬉しいことはないと思っています。
もちろん、知的障害がない子の行動面にも応用できるので、多くの困っている親御さんに試してみてほしいと、いつも思っています。

また小春さんのブログにもお邪魔させていただきますね。
今年もよろしくお願いします(*´∀`*)
Posted by: ブコ |at: 2012/01/30 4:09 PM
はじめまして。
とつぜんすみません。
私も発達障害のある息子がいます。
前回の記事 私は全く同感です。
おっしゃりたい事よくわかります。

私も最近思ったのですが社会性ってとても重要ですよね。
いつも一生懸命で尊敬します。

ほんとうに突然すみませんでした
Posted by: えりたん |at: 2012/02/02 11:21 PM
えりたんさん、コメントありがとうございます。とつぜんでも、いつでも大歓迎です。

同じ発達障害のある子を持つ親でも様々な考えの方がいる中で、同感していただけると、私もとても心強いです。

なかなか障害の特性を消していって、社会性を伸ばすことって難しいですけど、少しづつでも成長していけたらいいですよね。

えりたんさんも、一緒に子育てがんばりましょうね〜☆彡
Posted by: ブコ |at: 2012/02/06 5:40 PM
頭の中に電極埋めたりして電波を流して前頭葉が動くようにしたりとか障害をなおす方法みつからないかしら、そんな事考えてくれる研究者いないですか
Posted by: コムギです |at: 2013/02/19 9:37 PM
コムギさん、
一年以上前のコメントに今更ですが、、、
ほんと、そうですね〜。
なにか新しい方法が開発されて、知能がアップできると良いですよね!
脳の可能性は無限大とかよく聞くので、いつか何か良い方法が見つかることを信じています。
Posted by: ブコ |at: 2015/05/31 10:40 AM








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